今こそベンヤミン?

今読んでいる「ラディカントーグローバリゼーションの美学に向けて」という本にウォルター・ベンヤミンの試論から以下の一節が引用されている。

「イメージの新たな生産様式は、仕事をめぐる新たな諸関係と主体の再定義を同時にもたらすのである」

複製技術時代の芸術作品

ふと今話題のAI生成画像の仕組みと重なって「おっ」となった。今のところは「おっ」となっただけで具体的にどう繋がるのかはうまく言語化はできていない。

確かに、既にビジュアルクリエイティブ分野ではデジタル化によって仕事をめぐる諸関係と主体の再定義は継続的な進行状態と言える。写真などは最たるものだ。

そして、ここにきてのAIの登場によってその諸関係が更に次の段階に進むであろう!的な推測は十分成り立つが、今のところはそこまで。現状は判断を先送りにしまずは積極的に受け入れ使い倒してみるスタンスでいたい。そこから何かが生まれるだろうし周囲のさまざまな試論を目にすることになるだろうからそれらを吸収しながら前進したいと思っている。

ところで、実はベンヤミンの「複製技術時代の芸術作品」の原著は読んでいなくて、ずっと以前に岩波現代文庫の-ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読-を読んだ(はず)だった。(はず)というのは殆ど記憶にないからなのだけども….

なので、埃を払いながら引っ張り出してパラパラやってみたが、上記のような記述は今のところ見つけられていない。精読版(再読)と原著を読むべきリストの上位に割り込ませるべきか否か悩むところ….

ところで、今読んでいる本もなかなか刺激的。読み終わってから感想を書きたいと思っている。現代アートの分野からは吸収すべき点が無限に広がっている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です