ナラティブとビジュアルイメージ

この3ヶ間で「反逆の神話」「ナラティブ経済学」「ストーリーが世界を滅ぼす」といったナラティブ(ナラトロジー・物語論)が社会や経済にどういう影響を与えているのか或いはどのように浸透しているのかといった内容の本を合間合間で読んできました。

これらの3冊を読み込んで感じたこととして、社会に浮遊するナラティブ群とそれらがビジュアルイメージへの反映されていく関係について、僕の中に以前からあった漠然とした感覚をきちんと突き詰めてみようという思いが高まってきたことが挙げられます。

大分前ですが、ジョーセフ・キャンベルの「神話の力」や「千顔を持つ英雄」などを読んで、神話の持つ社会を動かすポジティブな力の存在にワクワクした記憶があります。(この機会に読み返してみます!)

しかし、「ストーリーが世界を滅ぼす」では、キャンベルで得た示唆とは反対にプラトンが恐れたストーリーテリングの負の側面(例えば現代ではディープフェイクなどの類)の影響力であるとか、また「ナラティブ経済学」ではナラティブの経済への影響、といった側面への関心もまた深まりました。

僕が携わるビジュアルイメージのあり方は、社会に浸透するこれらのようなナラティブ群の影響力を免れないと思っています。社会的なビジュアルを発信するものとしより良いコンテンツの流通を支えていくためにも、こういったさまざまな側面の理解を深めていく義務があるように勝手ながら感じてもいます。

常々、哲学・心理学・社会学・経済学・芸術論などの各分野の横断的接続を通して生じるビジュアルイメージの可能性を考えてきました。そして新たにこのナラトロジーを横軸に加えることで、ビジュアル表現の在り方の探求にも奥行きが広がってきそうに思います。かなり野心的な取り組みではありますが、残りの人生を通して自分なりに頑張ってみようと思います。

まずは、全体像理解の解像度を上げられるよう、学んだことのアウトプットとして今度こそは本当にこのブログにどんどん書き出していければと思います。また、ある程度まとまった論考ができたならnoteなどにも展開していけると尚良しですね。

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