黒衣+

昨年8月に minnimal というタイトルの記事でこんなことを書いていました。

例えば、服の選択一つとっても結構パワーを取られるわけですが、極力組み合わせを考えずに済むワードローブにしていくこと。あのジョブズが501と黒のタートルネックor黒Tしか着ないとかいう物語はやっと自分ごととして共感できるようになってきた気がします。

minimal (METANOIA BLOG)

その後、少しばかり変化が生じてきたのでアップデートしておきたいと思います。

最近はむしろ服装にあれこれ気を遣うことにあまり意義を感じなくなってきた気がします。でもそれは決して何でも良いやという諦め的な意味ではなく、どちらかというと服装というものへのエネルギーの割き方という感覚です。服装選択へのマインドエネルギー消費を極力抑えつつ、相対的にイメージビジュアルの着想にリソースをより使っていきたいという思いからです。

具体的な変化としては、色のコントロール。「白・黒・グレー+カーキ」という4色への集約が着々と進行しています。「+カーキ」としたのは基本はモノトーンでいきたかったのですが、カーキ系がどうしても好きなので一色だけ残しました。

ではなぜこの配色なのかといいますと、それは「黒子」という存在にヒントがありました。そうあの歌舞伎とかで出てくるあの全身真っ黒の役割の人たちです。

イメージビジュアル(の創作)の役割も何だか共通点を感じています。決して表に出る必要性がないというか、でも社会にとって欠かせないというそんな存在。そういう意味では全身真っ黒で統一すべきかなと思うのですが、そこまではまだ踏み切れないの何とも中途半端な状況ではあります。しかし、そういう役割を自認していくことを徹底するためにも装いに反映していきたいと思っています。そして少し調べてみると、一般に「黒子(クロコ)」と呼ばれていますが本来は「黒衣(くろご)」が正しい名称のようですので自分へのリマインド的キャッチフレーズとしては「黒衣+」としておきます。

「黒」は歌舞伎では「見えない」ことを意味しますので、黒衣として登場したときには、見えていないという約束を観客も心掛けておきます。

歌舞伎公式総合サイト「歌舞伎美人」より

非常に興味深い役割ですよね。もう少し深堀してみたいと思います。

また、クリエイティブ面でもそれなりに理由があります。個人的には脳内でイメージが隆起してくる時はわりとカラフルで鮮やかなシーンが多く、しかし、そういう実経験的でない記憶はかなり繊細ですぐ消滅してしまいがちなのです。なのでそれらをすぐさま脳内の引き出しに納め、必要に応じて取り出せるようにしたいのです。そういう部分に注力するためにも自分自身は余計な色を纏わない方が良いのではないかという自分なりの仮説があったりもします。

とはいえ、今持っている服を大胆に断捨離して新たに買い直すという行為にもまたパワーを要します。ですのでそういう無駄はせず、自分にしっくりくる感覚を大事にしつつ今後買い足すものを少しずつ「黒衣+」に寄せていくことで変化し続けていければと考えています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です