「風刺」というジャンルの可能性

先日、Twitterをぼ〜と眺めていたらこれらの動画と写真が目に飛び込んできまして、直感的に「面白い!」と感じました。

<ヴィーガンのように振る舞う肉食主義者>

<iRobot販売店の掃除手法(ネーミングは筆者)>

何が面白いと感じたのかというと、双方とものいわゆる「風刺」的アプローチに対してです。

動画の方は、ヴィーガンへの典型的なステレオタイプ的見方を逆手に取った表現です。僕にもそういった見方が刷り込まれているらしく「面白い」と咄嗟に感じてしまったのだと思います。ただ、ヴィーガンの方々からすればそれは不快に感じるだろう側面を孕んでいるということは意識しておきたい点です。

また、iRobotのショップの方は一目瞭然でパンチが効いています。掃除ロボットを売ってるのにもかかわらず、店内の掃除は人間がやらされているわけですから「一体何のためのテクノロジーなのか!」となりますよね 。テクノロジー資本主義に対する風刺としてはかなり効果的なのではないでしょうか。ある種ドキュメンタリー的なアプローチも良しです。

ところで、この流れでいつものごとくイメージ・ビジュアル領域に寄せつつ考察を試みているのですが、そもそも日本市場では「風刺」自体の存在感は”まだ”さほど大きくはなさそうです。

しかし、この状況はもしかしたら「鶏が先か卵が先か問題」なのかも知れず、日本市場ではそもそも有用なコンテンツの存在が少なく、利活用側もさほど期待していないという状態だったら?と妄想できなくもないです。なぜなら海外サイトを検索するとその手のコンテンツの存在が割と豊富に確認できるからです。それもかなりのクオリティで。

と、ここまで考えるとそもそも「風刺とは何か」という問いに歩みを進めなくてはならなくなります。個人的にもこれまであまり向き合った事がなく、THE NEW YORKERNEWYORK TIMESなどの欧米の雑誌や新聞ではよく描かれているようなイメージがあるなとかそんな感覚です。

しかし、少し調べてみるだけでもこれは作り手側にかなりの知的レベルが求められるジャンルだということがわかります。単に「皮肉る」というスタンスは見るものを不快にしかさせませんし、そもそもそれはイメージ・ビジュアルの役割ではありません。そこはかとなくユーモアが漂う中での「おお」と感じさせる表現形態が求められていそうです。

そういう意味で「風刺」には何某かの否定的ニュアンスを緩和しつつしっかり伝達する手法としての可能性を感じます。もし、そういうレベルのコンテンツ群がイメージ・ビジュアル分野でも先行してくるとそれなりのマーケットの立ち上がりを予感しなくもありません。

まぁ、日本的風土を考慮するに、作り手も使い手も難しいからあえて踏み込まない方が無難かもしれないよ、というような際どい部分があるのかもしれませんけども。

正直、いますぐに関連の本を読んだりしてこの分野の研究を深めようかとまではいかないのですが、この機会に脳内の引き出しにしまっておこうと思います。(宿題!!)

割と値のはる本が多いのですが、下記の2冊などが気になっています。

探求は続きます….

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